プールとサウナで相乗効果! 健康効果を最大限に引き出す活用法

体力アップや心肺機能の強化、筋力アップ、脂肪燃焼などに効果的な有酸素運動、水泳。トレーニングの一環としてはもちろん、趣味としてプールを楽しむ方も多いですよね。特に夏場は公共プールやレジャー施設のプールなどを利用される方が増える傾向にあります。
実は、プールとサウナの組み合わせは、相乗効果により様々な健康効果が期待できます。今回はプールとサウナの組み合わせがもたらす健康への効果について詳しく解説します。

目次

プールでの運動による効果

プールでの運動、特に水泳は水の特性を利用するため、以下のような効果が期待できます。

  • 全身運動と筋力アップ
    水泳は、腕、脚、体幹など全身の筋肉をバランス良く使う運動です。
    水の抵抗は空気の約800倍とされており、この抵抗を受けながら体を動かすことで、陸上よりも効率的に筋力トレーニングができます。普段使わない筋肉も刺激されるため、全身の筋力向上に繋がります。
  • 心肺機能の向上
    水中では水圧によって胸が常に圧迫されるため、呼吸筋が鍛えられ、肺活量が増加します。また、規則的な呼吸を繰り返すことで、心臓や肺が効率的に酸素を取り込み、全身に血液を送り出す能力が高まります。これにより、心肺機能が向上し、持久力がアップします。
  • 基礎代謝の向上と脂肪燃焼
    全身の筋肉量が増えることで、基礎代謝が向上します。基礎代謝が高いと、安静にしていても消費されるカロリーが増えるため、太りにくい体になります。さらに、水泳は有酸素運動であるため、脂肪燃焼効果も高く、ダイエットや肥満予防に非常に効果的です。水温が体温より低いため、体温を維持しようとする働きでさらにエネルギーを消費します。
  • 血行促進とむくみ改善
    水圧が全身にかかることで、血管が収縮し、血液が心臓に戻りやすくなります。これにより、血行が促進され、特に下半身に溜まりがちな老廃物の排出を助け、むくみの解消に繋がります。また、肩こりや腰痛の改善にも効果が期待できます。
  • 体温調節機能の向上と免疫力アップ
    水温が体温より低い環境で運動することで、体が体温を一定に保とうとする働きが活発になり、体温調節機能が向上します。これにより、風邪を引きにくい、病気になりにくい体を作ると言われています。
  • リラックス効果とストレス軽減
    水に浮いている感覚は、心身をリラックスさせ、心地よい無重力状態に導きます。
    水圧による心地よい刺激や、一定のリズムで泳ぐこと、深い呼吸を意識することで、自律神経が整い、ストレスホルモンの分泌が抑えられ、リラックス効果が高まります。幸福感をもたらすセロトニンの分泌も促されます。
    また、適度な運動による疲労感とリラックス効果により、質の良い睡眠が得られやすくなります。

プールの中は陸上よりも負荷がかかるため、歩くだけでも効果的な運動になります。水の抵抗を利用した運動になるので、短時間で効率的にカロリーを消費できます。また、プールの浮力は関節への負荷を軽減してくれるので、水中ウォーキングは関節痛のある方や運動が苦手な方には特におすすめです。

プールとサウナの相乗効果とは?

プールとサウナの組み合わせは、相乗効果で以下のような健康効果が期待できます。

  • 疲労回復…プールで運動した後のサウナは、筋肉の緊張をほぐし、疲労回復を促進します。
  • 冷え性改善…温水プールとサウナの温熱効果で、冷え性や肩こり、腰痛などの改善が期待できます。
  • ストレス解消…水中での運動とサウナによるリラックス効果で、ストレス解消や精神的な安定に繋がります。
  • ダイエット効果…プールでの運動は全身運動でカロリー消費も高く、サウナとの組み合わせでさらに効果的です。

プールでの運動で体を温め、水圧によるマッサージ効果やリフレッシュ効果を得た後に、サウナでさらに体を温めることで、血行促進や疲労回復など、様々な効果が期待できます。また、サウナで発汗を促すことで、老廃物の排出や美肌効果も期待できます。

効果的なのはプール前のサウナ?プール後のサウナ?

プールとサウナを併用する場合、サウナに入るタイミングは、目的によって異なります。一般的に推奨されているのは「プール後のサウナ」または「交互浴の一部として」です。
プールの前後、それぞれのタイミングのメリットや注意点については以下の通りです。

プール前にサウナに入る場合

プール前にサウナに入るメリット

  • ウォーミングアップ効果
    サウナで体を温めることで、水泳前のウォーミングアップになります。筋肉がほぐれ、柔軟性が高まることで、怪我の予防やパフォーマンス向上に繋がる可能性があります。
  • 冷たい水への慣れ
    冷たいプールに入る前にサウナで体を温めておくことで、水温とのギャップを和らげ、スムーズにプールに入ることができます。

プール前にサウナに入る場合の注意点

プール前にサウナに入る場合のメリットは上記の通りですが、サウナ後にプールへ入る場合は、以下のことに注意しましょう。

  • 脱水症状に注意する
    サウナで大量の汗をかくことで、体内の水分が失われます。その後にプールで運動すると、さらに水分が失われやすくなり、脱水症状のリスクが高まります。サウナに入る前、サウナ中、そしてサウナ後(プール前)に、しっかりと水分補給を行いましょう。
  • のぼせに注意する
    サウナで体が温まりすぎると、のぼせてしまうことがあります。その状態で水に入ると、体温調節機能に負担がかかり、体調不良を引き起こす可能性があります。長時間のサウナ利用は避け、短時間(5~10分程度)で切り上げましょう。また、サウナから出たら、水風呂やシャワーで体を冷ましてからプールに入るようにしてください。
  • 疲労感に注意する
    サウナは体をリラックスさせる効果がありますが、同時に体力も消費します。サウナ後に疲労感が残っている状態で激しい運動をすると、かえって体に負担をかけてしまうことがあります。サウナの利用は軽めにし、十分に休憩をとってからプールに入るようにしましょう。
  • 体調に合わせる
    体調が優れない時(風邪気味、寝不足、二日酔いなど)は、プール前のサウナは控えましょう。体調が悪化する可能性があります。少しでも体調に異変を感じたら、無理せずサウナ利用を中止し、プールでの運動も控えるか、軽いものにするようにしましょう。
  • 急激な温度変化に注意する
    熱いサウナから冷たいプールへいきなり入ると、急激な温度変化が体に大きな負担をかけることがあります。特に心臓に持病がある方や高血圧の方は注意が必要です。サウナから出たら、水風呂やシャワーで体をゆっくり冷やしてからプールに入りましょう。心臓から遠い手足から水をかけるなど、徐々に体を慣らすことが大切です。

プール後にサウナに入る場合

プール後にサウナに入るメリット

  • 筋肉の回復とリラックス効果の最大化
    水泳で使った筋肉をサウナの熱で温めることで、血行が促進され、疲労物質の排出が促されます。これにより、筋肉の回復が早まり、疲労軽減に繋がります。また、温熱効果によるリラックス効果も高まります。
  • デトックス効果
    サウナの熱でさらに発汗することで、体内の老廃物の排出を促し、より高いデトックス効果が期待できます。
  • 「ととのう」体験
    サウナの後に水風呂(または冷たいプール)に入り、休憩する「温冷交代浴」を行うことで、自律神経が整い、「ととのう」と呼ばれる深いリラックスと爽快感を得やすくなります。水泳後の適度な疲労感がある状態でこのサイクルを行うと、より効果を実感しやすいと言われています。

プール後にサウナに入る場合の注意点

プール後のサウナも様々なメリットがありますが、正しい利用方法を知っておくことが大切です。特に以下については注意して入りましょう。

  • 脱水症状に細心の注意を払う
    プール前にサウナに入る場合と同様、脱水症状には注意が必要です。
    プールで運動しただけでも、知らず知らずのうちに水分を失っています。その後にサウナで大量に発汗すると、さらに体内の水分が不足し、脱水症状のリスクが非常に高まります。プールでの運動中、そしてサウナに入る前には、必ず十分な水分補給を行いましょう。
  • 体の冷却を怠らない
    プール後のサウナは、サウナ後の体の冷却を怠ると、のぼせや体調不良の原因になります。サウナから出たら、水風呂(または冷水シャワー)で体をしっかり冷やしましょう。心臓から遠い手足から徐々に冷水をかけ、無理のない範囲で全身を冷やすのが理想的です。
  • 塩素をしっかり洗い流す
    プールの水には消毒のための塩素が含まれています。サウナの熱で毛穴が開いた状態で塩素が残っていると、肌に刺激を与えたり、乾燥の原因になったりすることがあります。プールから上がったら、サウナに入る前に必ずシャワーで全身の塩素を丁寧に洗い流しましょう。石鹸を使ってしっかり洗うことをおすすめします。
  • 体調に合わせる
    こちらもプール前にサウナに入る場合と同様、プールでの運動後で疲労が蓄積している場合、無理にサウナに入るのは避けましょう。

まとめ

水泳は全身運動として心肺機能向上や筋力アップ、脂肪燃焼など多くの健康効果が期待できる運動です。さらに、プールとサウナを組み合わせることで、疲労回復や冷え性改善、ストレス解消といった相乗効果が生まれます。
サウナに入るタイミングは目的によって異なりますが、一般的には運動後の疲労回復や「ととのう」体験には、プール後のサウナがおすすめです。ただし、どちらの場合も十分な水分補給、適切なクールダウン、そしてご自身の体調管理を徹底し、安全にプールとサウナの組み合わせを楽しんでください。

執筆者

注文住宅会社での20年以上の経験とサウナ好きがこうじて、サウナストーブを独自企画。実際にフィンランドやエストニアへの視察を行い本場のサウナ文化を感じた上で、フィンランド式のサウナストーブを製品化。ストーブの販売から設置、ブース施工までお任せください!

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