サウナで体調不良? 潜り続けるのは危険!サウナの注意点と体調管理

目次

1. サウナを楽しむための基礎知識

(1) サウナとは?:高温の部屋で発汗を促す入浴方法

サウナとは、高温に保たれた密閉性の高い部屋の中で、発汗作用によって体の芯から温める入浴方法です。 フィンランド発祥の文化として知られており、近年では日本でも、リフレッシュ効果や健康志向により幅広い世代に人気が高まっています。

サウナの主な特徴は以下の点が挙げられます。

特徴説明
高温環境一般的に80~100℃ほどに設定されています。
低湿度乾燥した空気が特徴で、息苦しさを感じにくいです。
発汗作用高温環境により大量の汗をかくことで、老廃物の排出を促します。

サウナには、乾式サウナと湿式サウナの二つに大きく分けられます。

  • 乾式サウナ(ドライサウナ): サウナストーンと呼ばれる石に水をかけて水蒸気を発生させるロウリュなどは行わず、乾燥した状態を保つサウナです。
  • 湿式サウナ(ミストサウナ): スチームなどによって室内を高湿度な状態に保ったサウナです。

日本では、乾式サウナの方が一般的です。

サウナは、ただ体を温めるだけでなく、心身のリフレッシュ効果や健康増進など様々な効能も期待できます。

(2) サウナの効果・効能:リラックス効果、血行促進、疲労回復など

サウナに入ることによって、身体には様々な良い効果をもたらします。高温環境での発汗は、身体に溜まった老廃物の排出を促し、血行を促進する効果があります。

サウナの効果・効能例

効果・効能説明
リラックス効果サウナの熱によって筋肉がリラックスし、精神的な緊張が和らぎます。
血行促進効果サウナの高温環境では、身体は体温を下げようと血管を拡張させます。
疲労回復効果血行促進により、疲労物質の排出が促され、筋肉の疲労回復を助けます。
美肌効果発汗によって毛穴の汚れが排出されやすくなり、肌の代謝アップも期待できます。
免疫力向上効果サウナの熱は、身体に軽いストレスを与え、免疫細胞を活性化させると言われています。

サウナは、これらの効果効能を通して、心身のリフレッシュに役立ちます。しかし、サウナの効果効能を十分に得るためには、体調管理や適切な入浴方法を心掛けることが大切です。

2. サウナで体調不良になる原因

(1) 脱水症状:大量の発汗による水分不足

サウナで多く汗をかくと、体内の水分が不足し、脱水症状を引き起こす可能性があります。

脱水症状のサイン症状
軽度口の渇き、めまい、疲労感、頭痛
中等度吐き気、嘔吐、倦怠感、意識障害
重度痙攣、意識不明

軽度の脱水症状であれば、水分補給で回復しますが、重症化すると命に関わることもあります。

サウナに入る際は、こまめな水分補給を心がけましょう。発汗量には個人差がありますが、目安として500ml程度の水分を摂取すると良いでしょう。 また、以下の点にも注意が必要です。

  • 水分補給は、のどが渇く前にこまめに行いましょう。
  • アルコールやカフェインを含む飲み物は、利尿作用があるため、水分補給には適していません。
  • 水分だけでなく、ナトリウムなどの電解質も失われるため、スポーツドリンクや経口補水液も有効です。

自身の体調と相談しながら、安全にサウナを楽しんでください。

(2) 熱中症:高温環境での体温調節機能の乱れ

サウナは高温環境のため、体温調節機能が乱れやすく、熱中症のリスクがあります。熱中症は、高温環境下で体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもってしまうことで引き起こされます。

サウナ室は高温で湿度も高いため、体内の熱を逃がすのが困難な環境です。 特に、以下の条件下では、熱中症のリスクが高まります。

条件説明
高温・高湿度のサウナ室特に湿度が高い場合は、汗が蒸発しにくく、体温が下がりづらい環境です。
長時間サウナに入っているサウナ室にいる時間が長くなるほど、体に熱がこもりやすくなります。
水分補給が不十分汗をかくと体内の水分や塩分が失われるため、こまめな水分補給が必要です。水分が不足すると、体温調節機能が低下します。
体調不良時疲労や睡眠不足、体調不良時は、体温調節機能が低下しやすいため、サウナの利用は控えましょう。

熱中症は、めまい、吐き気、頭痛、倦怠感などの症状が現れます。重症化すると、意識障害や痙攣などを引き起こす可能性もあります。サウナ利用中にこれらの症状が現れた場合は、すぐにサウナ室を出ましょう。そして、涼しい場所で休憩し、水分補給をするようにしてください。症状が改善しない場合は、速やかに医療機関を受診してください。

(3) 血圧の急激な変化:サウナと水風呂の行き来による血管への負担

サウナ浴は、高温のサウナ室と冷たい水風呂への出入りを繰り返すことで、血管に大きな負担をかける可能性があります。急激な温度変化は、血管の収縮と拡張を繰り返すため、血圧が大きく変動します。

サウナ室水風呂血管
高温環境低温環境収縮と拡張を繰り返す

特に、サウナ室から出た直後に水風呂に飛び込む行為は、血管を急激に収縮させるため、血圧が急上昇し、心臓に大きな負担がかかります。高血圧の方や心臓に持病がある方は、サウナ浴中に体調不良を起こすリスクが高くなるため注意が必要です。

サウナと水風呂の行き来によって血圧が急激に変化することを自覚し、以下の点に注意しながらサウナ浴を楽しみましょう。

  • 水風呂に入る前に、かけ湯などで体を徐々に冷やす
  • 水風呂の温度は、無理のない範囲で設定する
  • 水風呂に入る時間は、短時間にする
  • サウナと水風呂の行き来の回数は、控えめにする

上記を参考に、ご自身の体調と相談しながら、安全に配慮してサウナをお楽しみください。

(4) 持病との関係:心臓病、高血圧など、持病がある場合のリスク

サウナは、健康な方にとっては多くのメリットがありますが、持病がある場合は注意が必要です。 心臓や血管に負担がかかりやすく、症状が悪化する可能性があります。 特に、下記のような持病をお持ちの方は、サウナの利用前に必ず医師に相談してください。

持病リスク
心臓病高温環境により心臓への負担が増加し、動悸、息切れ、胸痛などが起こりやすくなります。
高血圧サウナと水風呂の急激な温度変化が血圧を大きく変動させ、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めます。
低血圧サウナによる血管拡張作用で、めまいや立ちくらみが起こりやすくなります。
呼吸器疾患高温多湿な環境により、呼吸が苦しくなることがあります。
糖尿病自律神経の乱れから、血糖値が急激に変動する可能性があります。
その他皮膚病、てんかん、妊娠中など、サウナの利用が適さない場合があります。

持病をお持ちの方がサウナを利用する場合は、医師の指導のもと、体調と相談しながら、無理のない範囲で行うようにしましょう。

3. サウナ利用時の注意点

(1) サウナに入る前の準備:水分補給、食事の時間帯、体調チェック

サウナに入る前は、いくつかの点に注意して準備をすることが大切です。

サウナに入る前の準備

項目内容
水分補給体内の水分が不足すると、脱水症状を引き起こす可能性があります。サウナに入る前、そして入っている間もこまめな水分補給を心がけましょう。
食事の時間帯空腹時や満腹時は、身体に負担がかかりやすくなります。サウナに入る場合は、食後1時間程度の間隔を空けるようにしましょう。
体調チェック体調が優れない時は、サウナの利用は控えましょう。特に、発熱や風邪の症状がある場合は、症状が悪化する可能性があります。

これらの点に注意して、安全にサウナを楽しむようにしましょう。

(2) サウナ室での過ごし方:無理せず自分のペースで、適切な時間と温度

サウナの効果を最大限に感じつつ、安全に楽しむためには、サウナ室での過ごし方が重要です。 無理せず自分のペースで、適切な時間と温度を心がけましょう。

項目内容
時間最初は5分程度から始め、慣れてきたら10分を目安にしましょう。
温度低温サウナ(60~80℃)、高温サウナ(80~100℃)など、サウナ室によって温度が異なります。無理せず、自分に合った温度のサウナを選びましょう。
体勢座ったり、寝転がったり、楽な姿勢で過ごしましょう。

サウナ室では、無理に我慢せず、気分が悪くなったらすぐに退室することが大切です。「もう少しだけ…」と頑張りすぎるのは禁物です。体の声に耳を傾け、心地よいと感じる範囲でサウナ浴を楽しみましょう。

(3) サウナ後のクールダウン:水風呂の利用方法、休憩の重要性

サウナでしっかり温まった後は、クールダウンが重要です。水風呂と休憩を効果的に取り入れることで、サウナの効果を最大限に高め、体調を整えましょう。

水風呂の利用方法

  • 段階的に: 水風呂に入る前に、かけ湯などで体を冷やしてから入りましょう。いきなり水風呂に入るのは危険です。
  • 無理せず: 最初は1~2分程度を目安に、徐々に水風呂に慣れていきましょう。
  • 呼吸を整えながら: 水風呂に入っている間は、深呼吸を意識してリラックスしましょう。
水温時間の目安対象者
15~17℃1~2分全身しっかり冷やしたい
18~20℃30秒~1分ほどよく冷やしたい
20℃以上10~30秒初心者や高齢者

休憩の重要性

  • 水分補給: 水風呂から上がったら、失われた水分を補給しましょう。
  • リラックス: 椅子に座ったり、横になったりして、10~15分程度休憩しましょう。
  • 体の状態を観察: めまい、吐き気など、体調不良を感じたら無理せず休憩を延長しましょう。

水風呂と休憩を繰り返すことで、血管が収縮と拡張を繰り返し、自律神経が整いやすくなります。ご自身の体調と相談しながら、無理のない範囲でサウナとクールダウンを楽しみましょう。

4. 体調に合わせたサウナの入り方

(1) 初心者向け:短い時間から始め、徐々に慣らしていく

サウナは、正しく利用すれば、心身ともにリフレッシュできる素晴らしい入浴方法です。しかし、初心者の方がいきなり無理をしてしまうと、体調を崩しまう可能性があります。

サウナの効果を最大限に感じながら、安全に楽しむためには、ご自身のペースに合わせて、徐々にサウナに慣れていくことが大切です。

最初の内は徐々に慣れたら
サウナ室滞在時間:5分以内サウナ室滞在時間:8~12分
水風呂の利用時間:1分以内水風呂の利用時間:1~2分
休憩時間:5~10分休憩時間:10~15分
セット数:1~2セットセット数:2~3セット

上記はあくまでも目安です。ご自身の体調と相談しながら、無理なくサウナを楽しんでください。サウナ室に入った際に「気分が悪い」「息苦しい」と感じたら、すぐに外に出ましょう。無理せず、自分のペースでサウナに慣れていくことが大切です。

(2) 高齢者向け:低温サウナの利用、入浴時間の短縮

年齢を重ねると、体力や適応能力が低下し、サウナの環境変化に対応するのが難しくなる場合があります。そのため、高齢者の場合は、以下の点に注意してサウナを利用する必要があります。

① 低温サウナを選ぶ

サウナの種類温度(目安)湿度(目安)特徴
高温サウナ80~100℃10~20%高温・低湿度で発汗を促す
低温サウナ60~80℃40~60%比較的低温・高湿度で息苦しさを感じにくい

高温サウナは、高齢者にとって心臓や血管に大きな負担がかかる可能性があります。低温サウナは、息苦しさを感じにくく、体の負担も少ないため、高齢者に向いています。

② 入浴時間を短縮する

高齢者の場合は、若い人に比べて体力の消耗が早いため、サウナ室での滞在時間は短めにしましょう。最初のうちは5分程度から始め、体調を見ながら徐々に時間を延ばしていくようにしましょう。

③ こまめな休憩

サウナ室から出たら、水風呂や冷水シャワーで体を冷やし、休憩を挟みましょう。高齢者の場合、一度に長時間サウナに入ると、体への負担が大きくなってしまいます。こまめな休憩を挟むことで、体調の変化に気を配りながら安全にサウナを楽しむことができます。

(3) 持病がある場合:医師に相談の上、無理のない範囲で

サウナは心身に好影響をもたらしますが、持病によっては悪影響を及ぼす可能性があります。持病をお持ちの方は、サウナを利用する前に必ず医師に相談し、指示を仰ぐようにしましょう。

持病サウナ利用の可否注意点
心臓病×サウナの高温環境は心臓に負担をかけるため、心筋梗塞や狭心症のリスクが高まります。
高血圧血圧の上昇や急降下のリスクがあるため、医師に相談の上、短時間・低温サウナから始め、こまめな休憩と水分補給を心がけましょう。
喘息高温・高湿度の環境は発作の誘因となる可能性があります。医師に相談の上、体調の良い日に、短時間・低温サウナから始めましょう。
妊娠中×体温調節機能が不安定なため、サウナの利用は控えましょう。
その他の持病要相談持病の種類や症状によっては、サウナの利用が制限される場合があります。自己判断せず、必ず医師に相談しましょう。

上記はあくまで一例です。ご自身の持病や体調に合わせて、無理のない範囲でサウナを楽しむようにしましょう。

5. サウナで体調を崩した場合の対処法

(1) 症状別対処法:めまい、吐き気、動悸など

サウナ室で体調が悪くなったら、無理せず休憩することが大切です。症状別に適切な対処法を覚えておきましょう。

症状対処法
めまい涼しい場所で横になり、足を高くして安静にする
吐き気無理に吐き出そうとせず、頭を低くして楽な姿勢をとる
動悸ゆっくりと深呼吸を繰り返し、呼吸を整える
筋肉の痙攣軽くストレッチをするか、マッサージで血行を促進する

上記のような症状が出た場合は、無理をせず休憩をとりましょう。水分・塩分を適切に補給することも重要です。

  • 症状が改善しない場合は、速やかにスタッフに助けを求めましょう。
  • 必要であれば医療機関への受診も検討してください。

サウナは正しく利用すれば、心身ともにリフレッシュできる素晴らしい習慣です。しかし、体調不良を感じた際は、ご自身の安全を第一に考え、適切な対処を心がけましょう。

(2) 医療機関への受診:症状が改善しない場合、速やかに受診

サウナ後の体調不良は、一時的なものと、そうでないものがあります。 安静にしていても症状が改善しない場合は、無理をせず、速やかに医療機関を受診しましょう。 特に、以下の症状が見られる場合は、重篤な病気が隠れている可能性もあるため、注意が必要です。

症状説明
意識障害意識がもうろうとする、呼びかけに反応しないなど
胸の痛み圧迫感、締め付けられるような痛みなど
呼吸困難息苦しさ、呼吸が浅い、速いなど
冷や汗顔面蒼白、手足の冷感などを伴う
吐き気・嘔吐水分を摂取しても改善しない
めまい頭がくらくらする、ふらつく
動悸ドキドキする、脈が速い、乱れる

自己判断で様子を見ずに、速やかに医療機関を受診することが大切です。 受診の際には、サウナに入っていたこと、症状、その時の状況などを医師に伝えましょう。 適切な処置を受けることで、症状の悪化を防ぎ、健康状態を回復することができます。

6. まとめ:安全にサウナを楽しむために

サウナは、正しい知識と方法で利用すれば、心身ともにリフレッシュできる素晴らしい習慣です。しかし、その一方で、体調不良のリスクも潜んでいます。

安全にサウナを楽しむために、以下の3点を常に心がけましょう。

ポイント説明
事前の準備水分補給をしっかり行い、食事はサウナに入る1時間前までに済ませましょう。体調が優れない場合は、サウナの利用を控えましょう。
無理をしないサウナ室では、自身のペースを守り、無理せず過ごしましょう。こまめな休憩と水分補給を心がけ、体調の変化に注意しながら入浴しましょう。
異変を感じたら体に異変を感じたら、直ちにサウナ室を出ましょう。我慢せずに、周囲の人に助けを求めたり、必要であれば医療機関を受診しましょう。

サウナの効果を最大限に享受し、健康的なサウナライフを送りましょう。

執筆者

注文住宅会社での20年以上の経験とサウナ好きがこうじて、サウナストーブを独自企画。実際にフィンランドやエストニアへの視察を行い本場のサウナ文化を感じた上で、フィンランド式のサウナストーブを製品化。ストーブの販売から設置、ブース施工までお任せください!

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