サウナでのヘアケアとは?サウナとヘッドスパの相乗効果も解説!

多くのサウナ愛好家にとって、高温多湿なサウナ室で心身が「ととのう」時間は至福のひとときです。しかし、その強力な熱と乾燥は、髪の毛にとっては大きな試練となり得ます。ドライサウナの超高温は髪の主成分であるタンパク質を変性させ、キューティクルを傷つけ、枝毛やパサつきの原因になりかねません。
一方で、サウナの発汗や血行促進といった効果は、頭皮のデトックスや健やかな髪の成長を助けるというメリットも持っています。
今回は、サウナが髪に与えるメリットとデメリットを徹底解説し、その上で「サウナ前後の正しいヘアケアルーティン」をご紹介します。適切な対策を知って、髪を傷めることなく、サウナの恩恵を最大限に受けましょう。
サウナが髪へ与える影響とは?

サウナは髪に良くも悪くも様々な影響を与えます。
サウナが髪に与える主なデメリット
- 熱によるダメージとキューティクルの損傷
サウナ室の高温(特にドライサウナ)に長時間さらされると、髪の毛の主成分であるタンパク質が変性し、弾力が失われたり、ゴワつきの原因となることがあります。
また、高温によって髪の外側を覆う保護膜であるキューティクルが開いたり剥がれたりしやすくなり、髪の内部の水分や栄養分が流れ出しやすくなります。
濡れた髪は特に熱に弱いため、汗やシャワーで濡れたままサウナに入るとダメージを受けやすくなります。
- 乾燥
一般的なドライサウナは湿度が低く非常に乾燥しているため、髪の毛の水分が蒸発しやすくなります。水分が失われることで、髪がパサつき、枝毛や切れ毛の原因となります。
さらに、頭皮も乾燥しやすくなり、かゆみやフケ、バリア機能の低下につながる可能性があります。
- 汗による影響
サウナで大量にかいた汗をそのままにしておくと、汗に含まれる塩分などがキューティクルを傷つけたり、毛穴に詰まって頭皮トラブル(抜け毛、炎症など)の原因となることがあります。
- カラーやパーマの持ち
高温でキューティクルが開くことや、汗による影響で、カラーの色落ちやパーマ・縮毛矯正の効果が落ちる可能性があります。
サウナが髪に与える主なメリット
一方で、サウナは頭皮環境に良い影響を与える可能性もあります。
- 血行促進
サウナによる温熱効果で頭皮の血流が良くなり、髪の成長に必要な栄養や酸素が行き渡りやすくなることで、美髪効果や薄毛予防が期待できます。
- 毛穴の洗浄
大量の発汗により、毛穴が開いて汚れや老廃物が排出されやすくなります。
サウナで髪を痛めないためのヘアケア

サウナによる髪へのダメージを軽減させるには、サウナ前とサウナ後にしっかりヘアケアを行うことがおすすめです。
サウナ前にやっておきたいヘアケア
- 髪の水分をしっかり拭き取る(タオルドライ)
髪は濡れている状態が最も熱に弱いです。濡れたままサウナに入ると、熱によってキューティクルが開き、ダメージを受けやすくなります。
シャワーや浴槽に入った後、サウナに入る前に髪をしっかりとタオルドライして水分を拭き取りましょう。
また、水滴が垂れないように拭くことは、サウナ室を利用する際のマナーでもあります
- ヘアオイルやトリートメントで髪を保護する
髪の表面にバリアを作ることで、熱による乾燥や水分の蒸発を防ぎます。
タオルドライ後の髪に、洗い流さないヘアオイル(アルガンオイル、ホホバオイルなど)を毛先を中心に少量なじませます。オイルが熱からの保護膜となり、水分の蒸発や色落ちを防ぐ効果も期待できます。
この時、オイルをつけすぎるとベタつきや、サウナ室の備品を汚す可能性があるため、適量を守り、必ずサウナハットやタオルで髪を覆って保護してください。
また、髪の保護には洗い流すトリートメントも効果が期待できます。サウナ前にシャンプーをした場合、トリートメントをつけたまま(洗い流さずに)軽く水気を絞り、サウナハットやタオルで包んで入る方法もあります。
サウナの熱でトリートメント成分の浸透を促す『ヘアパック効果』が期待できますが、サウナ室を汚さないよう厳重に保護することが必須です。
- サウナハットやタオルで物理的に保護する
サウナ室内の熱は上部にこもりやすく、頭皮や髪は体の中でも最も高温にさらされます。サウナハット(またはキャップ)を着用し、頭部と髪の毛を熱から遮断しましょう。もしサウナハットがない場合は、水で濡らして固く絞ったタオルを髪全体に巻き付け、ターバンのようにして熱から守りましょう。
- 髪をまとめる
髪が長い場合は、熱を浴びる表面積を減らすためにも、オイルを塗った後に、ゆるく結んだり、バナナクリップなどでふんわりとまとめたりすると良いでしょう。
サウナ後にやっておきたいヘアケア

サウナ後は、熱で開いたキューティクルを閉じ、失われた水分と栄養を補給することが最重要です。
- 汗と塩分を洗い流す
サウナ後は、まずシャワーで髪と頭皮を清潔にします。サウナでかいた汗や皮脂には塩分などが含まれており、放置するとキューティクルを傷つけたり、頭皮の毛穴詰まりの原因になります。シャンプー前に、ぬるめのお湯(38℃程度)で頭皮と髪をいつもより念入りに洗い流しましょう。
また、サウナ後は頭皮もデリケートな状態です。洗浄力の強すぎるシャンプーを避け、アミノ酸系など保湿力が高く、髪に優しい低刺激なシャンプーで優しく洗いましょう。
- トリートメントで集中補修・保湿
開いたキューティクルに栄養を届け、水分を閉じ込めます。まず、保湿成分や補修成分の高いトリートメントやヘアマスクを、ダメージの大きい毛先を中心にしっかりなじませます。
その後、可能であれば、5分~10分ほど時間を置いて成分を浸透させると効果的です。トリートメント後は流し残しがないように、丁寧にすすぎます。 - アウトバストリートメントで髪を保護
ドライヤーの熱から髪を守り、水分が逃げるのを防ぎます。髪をゴシゴシこすらず、優しく押さえるようにタオルドライしたらすぐに、ヘアオイルやヘアミルクなどの洗い流さないトリートメントを毛先中心になじませます。これは、ドライヤーの熱から髪を保護し、キューティクルが整うまでの乾燥を防ぐバリアになります。
- すぐに乾かす(キューティクルを閉じる)
濡れた状態の髪は非常にダメージを受けやすい状態です。できるだけ早く完全に乾かしましょう。ドライヤーの熱も髪のダメージにつながるため、低温モードや冷風を上手に活用します。
乾かし方としては、まずは根元から乾かし、キューティクルが整いやすいように上から下へ(毛先に向かって)風を当てて完全に乾かします。
最後に冷風を全体に当てると、キューティクルが引き締まり、ツヤが出やすくなります。
サウナ後のヘッドスパって髪に良い?

サウナとヘッドスパは、お互いの効果を高め合う非常に相性の良い組み合わせであり、心身のリラックスと頭皮・毛髪のケアにおいて相乗効果をもたらします。多くの専門施設で、サウナ後のヘッドスパが「究極のリカバリー」として推奨されています。
ヘッドスパがサウナの効果を高める理由
サウナに入ることで、身体全体に以下のような状態が起こり、その後にヘッドスパを行うことで効果が最大化されます。
- 血行促進と頭皮の柔軟性向上
サウナの温熱作用で全身の血行が良くなり、頭皮の血管も拡張して柔らかくなります。この状態でヘッドスパを行うことで、頭皮はマッサージによる血流改善効果をより受け入れやすくなります。これにより、毛根への栄養供給がスムーズになり、育毛や健康な髪の成長サポートにつながります。
- デトックス効果と老廃物の排出
サウナで大量に汗をかくことで、毛穴が開き、皮脂や老廃物が浮き上がった状態になります。このタイミングでヘッドスパのクレンジングやマッサージを行うと、毛穴の奥の汚れや詰まりを効率的に取り除くことができます。頭皮環境が整うことで、フケ、かゆみ、ニオイの予防にもつながります。
- リラックス効果の増幅(深い「ととのい」)
温冷交代浴は自律神経の副交感神経を優位にし、全身を深いリラックス状態(「ととのい」)に導きます。このリラックスした状態の後に、心地よいマッサージを受けることで、自律神経の調整がさらに促進され、より深いリラックス感や眠気(寝落ち)を誘います。これにより、疲労回復や睡眠の質の向上に大きな効果が期待できます。
まとめ:サウナの熱を味方に!美髪を育むヘアケア

サウナは心身をリフレッシュする最高の場所ですが、髪への影響を正しく理解し、適切なヘアケアを施すことが大切です。サウナの熱ダメージは、事前の「保護(オイル・ハット)」と、サウナ後の「徹底した保湿と迅速な乾燥」という二つの柱で最小限に抑えられます。
さらに、血行が促進されたサウナ後は、ヘッドスパや集中トリートメントの効果を最大限に引き出す「美髪のご褒美タイム」。正しいヘアケアを習慣化すれば、髪と頭皮を健やかに保ちながら、心ゆくまでサウナライフを充実させることができるでしょう。今日から、ご紹介したケアを取り入れて、「ととのい」とともに「美髪」を手に入れましょう。