【チラーメーカーまとめ】自宅でキンキン水風呂を楽しむためのチラー導入ガイド

目次

1. はじめに:水風呂マニアが自宅でキンキン水風呂を楽しむには?

「サウナでしっかり蒸された後は、キンキンに冷えた水風呂にザブーンと入りたい!」

そんな風に思うサウナ愛好家の方は多いのではないでしょうか?

しかし、自宅の浴室で水風呂を楽しむとなると、

  • 水道水ではなかなか水温が下がらない
  • 季節によって水温が安定しない
  • 水の入れ替えが面倒
  • 水道代が気になる…

など、様々な悩みがつきものです。

課題詳細
水温が低い水道水だけでは、なかなか理想的な冷たさの水風呂を実現するのは難しいでしょう。
水温が不安定特に夏場は水温が上がりやすく、冬場は冷たすぎて長く入っていられないことも。季節を問わず、安定した水温を保つのは容易ではありません。
水の入れ替え衛生面を考えると、毎回水を入れ替えるのが理想ですが、時間と手間がかかります。
水道代水を大量に使うため、水道代が大きくかかってしまうことも。

そこでおすすめしたいのが、「水風呂チラー」です。

水風呂チラーとは、水槽内の水を冷却する装置のこと。

この装置を導入することで、水道水では実現できないようなキンキンに冷えた水風呂を、自宅で手軽に楽しむことができるようになります。

次の章では、水風呂チラーの仕組みやメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

2. 水風呂のチラーとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

水風呂チラーの仕組み

水風呂チラーは、冷蔵庫やエアコンと同じように冷媒と呼ばれる物質を使って水冷する装置です。
その仕組みは、大きく分けて次の4つのステップで説明できます。

ステップ説明
チラー内部のコンプレッサーで冷媒を圧縮し、気体の高温・高圧状態にします。
高温・高圧になった冷媒は熱交換器を通過し、外気へ熱を放出して液体になります。
液体になった冷媒は膨張弁を通過する際に気化し、周りの熱を奪って急激に温度が下がります。
低温になった冷媒は水風呂の水が循環する配管内を流れ、熱交換によって水風呂の水を冷やします。

このように、水風呂チラーは冷媒を循環させることによって、外部から熱を奪い水を冷やし続けることができるのです。

メリット:一年中安定した水温、水道代節約

水風呂チラーを使う最大のメリットは、季節や気温に左右されず、いつでも好みの温度のキンキン水風呂に入れる点です。

水道水で水風呂を準備する場合、夏場は水温がぬるくなってしまったり、冬場は冷たすぎて長く入れなかったりする経験はありませんか?

チラーを使えば水温を一定に保てるため、季節を問わず、いつでも理想的な水風呂に入ることができます。

メリット説明
一年中安定した水温設定温度で水温をキープ。季節を問わず快適な水風呂を実現できます。
水道代の節約水を循環させて冷やすため、水道代を大幅に節約できます。

特に、水温が安定する点は、水風呂の効果を最大限に引き出す上で重要です。

水風呂の効果を最大限に実感するためには、15~18℃の冷たい水に、全身を1~2分程度浸かる必要があります。

しかし、水道水のみでは水温が安定せず、効果的な水風呂体験を実現するのが難しい場合があります。

その点、チラーがあれば常に一定の温度を保てるため、水風呂の効果を最大限に実感することができます。

デメリット:初期費用、設置スペース、電気代

水風呂チラーは、設置するだけで快適な水風呂が手に入る魅力的なアイテムですが、導入前にいくつかのデメリットも理解しておく必要があります。

まず、初期費用がかかります。チラー本体の価格に加え、設置工事費や配管部材費なども必要となる場合があります。

チラーの種類目安価格設置工事費配管部材費
小型チラー5~10万円1~3万円1~2万円
大型チラー20万円~3万円~2万円~

また、チラー本体と冷却用のファンは、ある程度の設置スペースを必要とします。特に、大型のチラーを設置する場合は、事前に設置場所の確保が必須です。屋内設置の場合には、騒音対策も考慮する必要があります。

さらに、チラーは電気で稼働するため、当然ながら電気代がかかります。冷却能力や使用頻度によって変動しますが、ランニングコストとして考慮しておく必要があります。

3. 水風呂チラーを選ぶ上での重要ポイント

冷却能力:水量、設置環境、希望水温との関係

水風呂チラーを選ぶ上で最も重要なのが冷却能力です。冷却能力が不足すると、希望の水温まで下げることができません。冷却能力は「kW(キロワット)」で表され、この数値が大きいほど、短時間で水温を下げることができます。必要な冷却能力は、水量、設置環境、希望水温によって異なります。

水量目安となる冷却能力
100L0.5kW~
200L1.0kW~
300L1.5kW~

設置環境

  • 直射日光の当たる場所や高温多湿な場所では、冷却効率が低下するため、より高い冷却能力が必要です。
  • 風通しの良い場所に設置することで、冷却効率を高めることができます。

希望水温

  • 水道水の水温から大きく下げたい場合は、より高い冷却能力が必要です。
  • 例えば、水道水の水温が25℃で、15℃の水風呂にしたい場合は、10℃の水温差を埋める必要があります。

水量、設置環境、希望水温を考慮して、最適な冷却能力のチラーを選びましょう。

サイズ・設置場所:屋内・屋外、騒音、排水

水風呂チラーは、設置場所によって屋内設置型と屋外設置型に分けられます。それぞれの特徴を把握した上で、ご自宅の状況に合ったタイプを選びましょう。

設置場所メリットデメリット
屋内設置スペースが限られる場合でも設置しやすい騒音が気になる場合がある
屋外騒音が気にならない設置スペースが必要

騒音について

水風呂チラーは冷却の際に稼働音が出ます。特に、コンプレッサー式は冷却能力が高い分、音が大きくなる傾向があります。静音設計のモデルや、防音対策を施すことも検討しましょう。

排水について

水風呂チラーは定期的にメンテナンスが必要で、その際には内部の水を抜く必要があります。排水しやすい場所に設置するか、排水ホースを長くするなどの工夫が必要です。

機能:水温調節機能、タイマー機能、静音性

水風呂チラーを選ぶ際には、機能面も重要な要素です。快適な水風呂ライフを送るために、水温調節機能、タイマー機能、静音性について詳しく見ていきましょう。

機能説明
水温調節機能水温を細かく設定できる機能です。機種によって設定可能な温度範囲が異なります。
タイマー機能チラーの稼働時間を設定できる機能です。オンタイマーとオフタイマーが搭載されている機種もあります。
静音性チラーの稼働音の大きさを表す指標です。静かなモデルほど、夜間や集合住宅でも安心して使用できます。

水温調節機能があれば、季節や体調に合わせて好みの水温に設定できます。タイマー機能を使えば、入浴前に水風呂を準備しておくことや、電気代の節約にも役立ちます。静音性が高いものを選べば、周囲に迷惑をかけることなく水風呂を楽しめます。

価格:初期費用、ランニングコスト

水風呂チラーの価格帯は、機能や冷却能力によって大きく異なります。 初期費用を抑えたい方は、コンパクトで必要最低限の機能を備えたモデルがおすすめです。 一方、冷却性能や静音性、多機能性にこだわる方は、高価格帯のモデルを選ぶと良いでしょう。

初期費用だけでなく、ランニングコストも考慮することが大切です。 チラーの使用時間や電力会社との契約プランによって変動しますが、1ヶ月の電気代を事前に計算しておきましょう。

価格帯特徴
~5万円台・コンパクトなモデルが多い
・必要最低限の機能
・ランニングコストを抑えたい方におすすめ
~10万円台・冷却能力と機能のバランスが良い
・多くのユーザーにとって使いやすい価格帯
20万円~・高冷却能力・静音性
・多機能で快適な水風呂環境を実現

購入前に、初期費用とランニングコストの両方を考慮し、予算とニーズに合ったチラーを選びましょう。

4. 水風呂チラー導入時の注意点

設置場所:日陰、風通し、騒音

水風呂チラーを設置する際には、場所選びが非常に重要です。適切な場所に設置することで、チラーの性能を最大限に活かし、快適な水風呂環境を実現できます。

設置場所の条件理由
直射日光の当たらない日陰直射日光が当たるとチラーの冷却効率が低下し、電気代の無駄に繋がります。
風通しの良い場所チラーは稼動中に熱を発生するため、風通しが悪いと排熱がうまくいかず、冷却能力の低下や故障の原因になる可能性があります。
騒音の影響が少ない場所チラーは稼動時に多少の運転音が発生します。寝室の近くなど、騒音が気になる場所への設置は避けましょう。

また、屋外に設置する場合には、雨風を避けられる軒下やカバーを設置するなどの対策も必要です。設置場所の状況をよく確認し、最適な場所を選びましょう。

電気工事:資格の必要性、電気容量

水風呂チラーを設置する際には、電源の確保が必須です。多くの場合、家庭用コンセントで使用できますが、製品によっては、専用の電気回路やコンセントの設置が必要になるケースもあります。

チラーのタイプ電源電気工事の必要性電気工事の資格
家庭用100V不要な場合が多い不要
業務用200V必要な場合が多い必要

表のように、業務用チラーの場合、200Vの電源が必要となるため、必ず電気工事士の資格を持った業者に依頼する必要があります。 資格を持たずに自分で電気工事をすると、法律違反になるだけでなく、火災などの危険も伴うため、絶対にやめましょう。

また、家庭用チラーであっても、消費電力が大きい製品の場合、既存の電気回路の容量が不足し、ブレーカーが落ちてしまう可能性があります。 心配な場合は、事前に電気工事店に相談し、電気容量の確認や、必要があれば回路の増設を検討しましょう。

安全のためにも、電気工事に関しては、必ず専門家の指示に従って下さい。

水質管理:衛生面、ろ過、水質調整剤

せっかくチラーで冷えた水風呂も、水が汚れていては快適に入浴できません。水質管理を怠ると、細菌が繁殖しやすくなり、皮膚トラブルの原因にもなりかねません。安全に水風呂を楽しむためにも、水質管理は非常に大切です。

水風呂の水質管理では、以下の3つのポイントを意識しましょう。

ポイント内容
衛生管理定期的な水換えや清掃を行い、雑菌の繁殖を抑えましょう。
ろ過ろ過装置の導入も効果的です。水中のゴミや汚れを取り除き、水をきれいに保ちます。
水質調整剤水質調整剤を使用することで、水質を安定させ、より快適な水風呂を実現できます。

特に、チラーを使用する場合、水が循環するため、雑菌が繁殖しやすくなる可能性があります。こまめな清掃や水質調整剤の使用を心がけ、清潔な状態を保つようにしましょう。

安全対策:子供やペットの事故防止

せっかくの水風呂も、事故が起きてしまっては台無しです。特に小さなお子さんやペットがいるご家庭では、チラー本体や配管周辺に近づけないように注意が必要です。思わぬ事故を防ぐために、以下のような対策を検討しましょう。

対策具体例
チラー本体への接触防止・チラー本体にカバーを取り付ける
・柵を設置してチラー周辺に近づけないようにする
・子供が容易に開けられない場所に設置する
配管への接触防止・配管を断熱材で覆う
・配管を壁や床に固定する
・配管が目立たないように設置する
水没防止・チラーの設置場所を、水没の恐れがない場所にする
・排水溝を定期的に清掃する

また、チラーの運転中は、定期的に稼働状況をチェックし、異常がないか確認することも大切です。特に、小さなお子様やペットがいる場合は、目を離さないようにし、安全に水風呂を楽しめる環境を整えましょう。

5. チラーのおすすめメーカー 

チラーを解説した、安全性や性能、メリット・デメリットなどを考慮し、おすすめのメーカーを厳選してご紹介します。 

チラーメーカーを選ぶ際は、冷却性能がサウナのサイズに適しているかを確認することが重要です。適切な冷却能力を持つ機器を選ぶことで、効率的に温度管理が可能になります。また、エネルギー効率の良いモデルを選ぶと、長期的な運用コストを抑えつつ環境負荷も軽減できます。操作のしやすさも重要です。また、安全機能が充実していることも確認し、過熱防止や自動停止機能などが備わっていると安心です。これらの要素を総合的に考慮することで、信頼性の高いチラーを選ぶことができます。

ブロスサウナ

ブロスサウナは、国産のメーカーです。サウナの種類も豊富で、伝統的なドライサウナからスチームサウナ、ロウリュウサウナなど、様々な最新の種類があります。サウナストーブは高性能な加熱機器で、効率的にサウナ内を温める設計です。温度調節が簡単で、正確な温度管理が可能です。安全性については、ひし形PSEを取得済みで、自動停止機能や過熱防止機能が搭載されているため、万が一のトラブルにも対応できるよう配慮されています。製品ラインナップには「冷エール」というチラーがあり、サウナ後のクールダウンに最適で、冷却機能が優れており、短時間で適切な温度に冷やすことができます。

ブロスサウナのチラーは、サウナやスパ施設の冷却ニーズに応える高性能な冷却装置です。最低水温3度のチラーを使ってシングル対応の水風呂を可能にします。コンセントにつなぐだけで施工不要のカンタン動作し、給排水のホースを2本入れていただくことで、浴槽内の水を冷却可能です。操作はデジタルコントロールで簡単に行え、安全機能も充実しています。

メーカー名ブロスサウナ
本社所在国日本
価格410,000円(税別)
サイズW630×D420×H520mm
重量45kg
温度帯3~20℃
最大容量500L
遠隔操作情報なし
PSEマークあり
https://bros-sauna.jp/product/ice-bath/

ゼンスイ

ゼンスイは、国産のメーカーです。観賞魚水槽や活魚水槽で培ったノウハウを生かして、水風呂の水温管理をサポートしています。 水を冷やすチラー、循環ポンプ等、種類豊富な機械を取り揃えてサウナやスパ、種類豊富な機械を取り揃えています。冷却用途に特化した高性能な冷却装置としての機能や信頼性が高く、高性能な製品を提供していることで、サウナ施設やスパに採用されています。また、使用環境や予算に合わせて、OEMの対応も可能です。

ゼンスイのチラーは、省エネや静音性に優れ、水温管理アラート搭載のため、24時間いつでも監視可能です。オーバータイム機能により、連続運転時間が2時間以上になるとランプでお知らせするので、トラブルを未然に防止できます。

メーカー名ゼンスイ
本社所在国日本
価格(ZC-100α)74,000円(税別)
サイズW196×D320×H350mm
重量10kg
温度帯0~60℃
最大容量100L
遠隔操作情報なし
PSEマーク情報なし
https://www.zensui.co.jp/products/cooler/zc
メーカー名ゼンスイ
本社所在国日本
価格(ZC-1300α)326,000円(税別)
サイズW420×D520×H480mm
重量27kg
温度帯0~60℃
最大容量1,300L
遠隔操作情報なし
PSEマーク情報なし
https://www.zensui.co.jp/products/cooler/zc

Cryo Control

2007年にフランスで開発されたCryo Control(クライオコントロール)は、氷のいらないアイスバスシステムとして、、世界70以上の国々で使用されており、その性能面の高さで世界に確固たる地位を築いてきました。クライオコントロールは、従来の氷を使用したアイスバスよりも効率的かつ強力、また環境にも配慮した製品を世の中に送り出してきました。クライオコントロールのアイスバスは疲労感や遅発性筋肉痛の軽減、熱中症対策などの目的でスポーツ大会や、練習後、リハビリ施設、病院、サウナ、スパ施設等での利用が広がっています。

CRYO CONTROLのチラーは、温度制御の精度が非常に高く、±0.1℃などの精密な調整が可能です。これにより、実験やプロセスの条件を安定的に保つことができます。

メーカー名CRYO CONTROL
本社所在国フランス
価格(JP-R3)1,430,000円
サイズW750×D270×H510mm
重量情報なし
温度帯~10℃
最大容量情報なし
遠隔操作情報なし
PSEマーク情報なし
https://cryocontrol.jp/wp/product-portable/

6. まとめ:あなたにぴったりのチラーで極上の水風呂体験を!

ここまで、水風呂チラー導入のメリット・デメリット、選び方、注意点などを解説してきました。

最後に、本記事の内容を簡単にまとめます。

項目内容
チラーとは水風呂の水温を一定に保つ冷却装置
メリット一年中安定した水風呂、水道代節約
デメリット初期費用、設置スペース、電気代
選ぶポイント冷却能力、サイズ、機能、価格

水風呂チラーは、初期費用はかかりますが、自宅で快適な水風呂ライフを実現するための投資と言えるでしょう。

ぜひ今回の内容を参考に、あなたにぴったりの一台を見つけて、極上の水風呂体験を実現してください!

執筆者

注文住宅会社での20年以上の経験とサウナ好きがこうじて、サウナストーブを独自企画。実際にフィンランドやエストニアへの視察を行い本場のサウナ文化を感じた上で、フィンランド式のサウナストーブを製品化。ストーブの販売から設置、ブース施工までお任せください!

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