DIYでスチームサウナを作る方法とは?必要な装置や費用、注意点を紹介
1. はじめに
DIYでスチームサウナを作ることは可能?
本格的なリラクゼーション効果が期待できるスチームサウナを、DIYで自宅に設置することは可能です。
ただし、スチームサウナは高温多湿な環境を作るため、安全な設置と運用には専門的な知識が必要です。
DIYでスチームサウナを作る場合は、以下のポイントを押さえましょう。
ポイント | 詳細 |
---|---|
電気配線 | 感電の危険があるため、必ず専門業者に依頼しましょう。 |
水回り | 水漏れは建物の腐食や漏電の原因になります。専門業者への依頼が必要です。 |
断熱 | サウナ室の温度を保つために、適切な断熱材を選びましょう。 |
気密性 | 蒸気が漏れないように、隙間なく施工する必要があります。 |
法令遵守 | 建築基準法や電気工事士法などの関連法規を確認しましょう。 |
DIYでスチームサウナを作る際は、安全を最優先に、専門家のアドバイスを受けながら進めることをおすすめします。
本格的なリラクゼーションを自宅で
スチームサウナは、ただ汗を流す場所ではありません。高温の蒸気が身体を包み込むことで、心身ともに深いリフレッシュを得られる特別な空間です。
自宅にスチームサウナがあれば、以下のようなメリットをいつでも享受できます。
メリット | 説明 |
---|---|
好きな時に利用できる | 仕事帰りや休日のリラックスタイムなど、自分のペースでサウナを楽しむことができます。 |
プライベート空間である | 誰にも気兼ねなく、ゆったりとリラックスできます。 |
好みの温度・湿度・香りに調整できる | 自分にとって最適な環境でサウナを楽しむことができます。 |
長期的に見て経済的 | 毎日のようにサウナに通うことを考えれば、自宅に設置する方が経済的と言えるでしょう。 |
DIYでスチームサウナを作ることは、決して容易ではありません。しかし、完成した時の喜びはひとしおです。自分だけの特別な空間で、極上のリラクゼーションを体験してみませんか?
2. DIYスチームサウナに必要な装置
スチーム発生器:心臓部を選ぶ
電極式、ボイラー式などの種類と特徴
スチームサウナの心臓部であるスチーム発生器には、主に電極式とボイラー式の2種類があります。それぞれに特徴があるので、DIYに適しているか、求めるサウナ体験に合致しているかを考慮して選びましょう。
種類 | 特徴 |
---|---|
電極式 | ・水槽内の電極に通電して水を加熱するため、立ち上がりが速い。 |
・構造がシンプルでコンパクトなため、DIYにも比較的取り組みやすい。 | |
・水質の影響を受けやすく、定期的な清掃が必要となる。 | |
ボイラー式 | ・ボイラー内で水を沸騰させて蒸気を発生させるため、耐久性が高い。 |
・電極式に比べて立ち上がりに時間がかかる。 | |
・大型で高価なものが多く、設置スペースに余裕が必要となる。 |
DIYでスチームサウナを作る場合は、比較的安価で設置しやすい電極式を選ぶ方が多いかもしれません。しかし、ランニングコストやメンテナンスの手間などを考慮すると、ボイラー式の方がメリットが大きい場合もあります。それぞれのメリット・デメリットを比較し、自身にとって最適なスチーム発生器を選びましょう。
必要な出力と容量の計算
スチーム発生器選びで最も重要なのは、必要な出力と容量を適切に計算することです。出力不足ではサウナ室が温まらず、逆に大きすぎると無駄なコストがかかります。
1. サウナ室の容積計算
サウナ室の縦・横・高さを測り、以下の式で容積を計算します。
項目 | 計算式 |
---|---|
サウナ室の容積 | 縦 × 横 × 高さ (m³) |
2. 必要出力の目安
サウナ室の容積を元に、以下の表から必要なスチーム発生器の出力を確認します。
サウナ室の容積 (m³) | 必要出力 (kW) |
---|---|
1.0 未満 | 3.0 |
1.0 – 2.0 | 4.5 |
2.0 – 3.0 | 6.0 |
3.0 – 4.0 | 7.5 |
4.0 – 5.0 | 9.0 |
3. 容量の目安
スチーム発生器の容量は、連続使用時間によって決まります。1回のサウナ入浴で60分使用する場合、必要出力と同じ容量があれば十分です。
これらの計算はあくまでも目安です。断熱性や設置環境によって必要な出力は変わるため、専門業者に相談することをおすすめします。
スチームヘッド:適切な蒸気を供給
素材、形状、設置場所
スチームヘッドの素材、形状、設置場所も、サウナ室に最適な蒸気を供給するために重要な要素です。
素材
素材 | 特徴 |
---|---|
ステンレス | 耐久性が高く、錆びにくい |
真鍮 | 高級感があり、熱伝導率が高い |
プラスチック | 安価だが、耐久性は低い |
形状
- 丸型: 広範囲に蒸気を拡散させる
- 角型: 集中的に蒸気を噴射する
設置場所
- 床面に近い位置に設置することで、冷たい空気を効率的に温めることができます。
- 座る位置から離れた場所に設置することで、火傷のリスクを減らすことができます。
これらの要素を考慮して、サウナ室の広さや形状、使用目的に合ったスチームヘッドを選びましょう。
サウナ室の構造:断熱と気密性が重要
壁材、断熱材、ドアの選び方
サウナ室を自作する上で、快適性と安全性を左右する重要な要素が壁材、断熱材、ドアの選び方です。高温多湿な環境に耐え、熱を逃がさない工夫が求められます。
部材 | 特徴 | おすすめ |
---|---|---|
壁材 | 耐熱性、防水性、耐久性が求められる | ヒノキやサワラなどの国産木材、断熱性に優れたALCパネル |
断熱材 | 熱を逃がさず、サウナ室内の温度を保つ | グラスウール、ロックウール、スタイロフォームなど |
ドア | 気密性を高め、熱損失を抑える | ガラス製のサウナ専用ドア、断熱性の高い木製ドア |
ポイント
- 壁材は、高温多湿に強く、腐食しにくい木材や、断熱性・耐火性に優れたALCパネルなどがおすすめです。
- 断熱材は、壁や天井に隙間なく敷き詰めることで、効果を発揮します。
- ドアは、気密性を高めるために、サウナ専用のものを選ぶか、既存のドアにパッキンを取り付けるなどの工夫が必要です。
適切な材料を選ぶことで、快適で安全なスチームサウナを作ることができます。
制御盤:安全な操作と温度管理
タイマー機能、温度センサー、安全装置
制御盤には、安全性と快適なサウナ体験のために、いくつかの重要な機能が備わっている必要があります。
まず、タイマー機能は、設定した時間になると自動的に電源をオフにする機能です。サウナに入りすぎてしまうことを防ぎ、安全性を高めます。
温度センサーは、サウナ室内の温度を常に監視し、設定温度を超えないように制御します。温度の上がりすぎによる火傷や体調不良を予防する上で重要です。
安全装置としては、過熱防止装置や漏電遮断器などが挙げられます。
機能 | 説明 |
---|---|
タイマー機能 | 設定時間経過で自動電源オフ |
温度センサー | 室内温度を監視し、設定温度を超えないよう制御 |
過熱防止装置 | 異常な温度上昇を検知し、自動で運転停止 |
漏電遮断器 | 漏電発生時に電流を遮断し、感電事故を防止 |
これらの機能によって、安心してスチームサウナを楽しむことができます。
その他のオプション機器
照明、アロマセラピー、音楽設備
スチームサウナの効果を最大限に引き出すためには、これらのオプション機器も重要です。
機器 | 説明 |
---|---|
照明 | リラックス効果を高める暖色系の間接照明がおすすめです。防水仕様であることを確認しましょう。 |
アロマセラピー | 専用のアロマポットを設置し、好みの香りのエッセンシャルオイルを楽しむことができます。 |
音楽設備 | 防水仕様のスピーカーを設置すれば、リラックス効果を高める音楽を聴きながらサウナを楽しむことができます。 |
これらの設備は必須ではありませんが、設置することでより快適で贅沢なスチームサウナ体験を実現できます。ご自身の好みに合わせて、検討してみてください。
3. DIYスチームサウナにかかる費用
装置費用:選ぶものによって大きく変動
DIYスチームサウナを作る際に、最も費用が変動するのが装置費用です。スチーム発生器やサウナ室の構造、オプション機器によって、費用は大きく変わってきます。
例えば、スチーム発生器は出力や機能によって価格が大きく異なります。簡易的なものであれば数万円で購入できますが、高出力で多機能なものは数十万円かかる場合もあります。
装置 | 価格帯 |
---|---|
スチーム発生器 | 数万円~数十万円 |
サウナ室の材料 | 数万円~数十万円 |
制御盤 | 数万円~ |
照明器具 | 数千円~数万円 |
その他、ドアや断熱材、ベンチなどの部材によっても費用は変動します。
費用を抑えるためには、必要な機能を絞ったり、中古品を検討したりするのも一つの方法です。しかし、安全性や耐久性を考慮し、信頼できるメーカーの製品を選ぶようにしましょう。
施工費用:専門業者への依頼が必要な場合も
DIYでスチームサウナを作る場合でも、すべての工程を自身で行うのは難しい場合もあります。特に、電気配線や水回りの工事は、専門的な知識と技術が必要となるため、安全のためにも専門業者に依頼することをおすすめします。
専門業者に依頼する場合、費用は依頼する内容や業者によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
電気配線工事 | 5万円~ |
水回り工事 | 5万円~ |
サウナ室設置工事 | 10万円~ |
上記以外にも、断熱材の施工や内装工事なども依頼する場合は、別途費用が発生します。専門業者に依頼する場合は、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが大切です。
ランニングコスト:電気代や水道代
DIYスチームサウナの設置費用に加えて、ランニングコストも考慮する必要があります。ランニングコストは主に電気代と水道代です。
- 電気代:スチーム発生器の消費電力が大きく影響します。出力や使用頻度によって変動しますが、1時間あたりの電気代は数十円から数百円程度になることもあります。省エネ性能の高いスチーム発生器を選ぶことも、ランニングコストを抑えるポイントです。
スチーム発生器の出力 | 目安電気代 (1時間あたり) |
---|---|
3kW | 約90円 |
6kW | 約180円 |
9kW | 約270円 |
※ 電気料金は1kWhあたり30円として計算
- 水道代:スチーム発生器に給水する水道水もランニングコストに影響します。使用頻度や水量によって変動しますが、1回の使用で数十リットルの水を使用することもあります。節水型のスチーム発生器を選ぶ、使用頻度を調整するなど、工夫次第で水道代を抑えることができます。
電気代や水道代は地域や契約プランによっても異なるため、事前に確認しておきましょう。
4. DIYスチームサウナを作る際の注意点
安全第一:電気配線や水回りは専門業者に依頼
DIYスチームサウナを作る上で最も重要なのは安全性の確保です。特に、電気配線や水回りの工事は専門的な知識と技術が欠かせません。誤った施工は、感電や火災、水漏れなどの重大な事故に繋がりかねません。
専門業者に依頼するメリット | メリットの詳細 |
---|---|
安全性の確保 | 資格を持つプロによる施工で、事故リスクを大幅に軽減 |
法令遵守 | 建築基準法や電気工事士法などの法令に則った施工が可能 |
品質の保証 | 万が一の不具合にも、保証やアフターサービスを受けられる |
電気配線は、スチーム発生器の出力に合わせた適切な太さの電線を使用する必要がありますし、漏電ブレーカーの設置も必須です。水回りも、給排水管の接続や防水処理を適切に行わなければ、水漏れや腐食の原因となります。
DIYに慣れていても、電気配線や水回りの工事だけはプロに依頼することを強くおすすめします。安心・安全なスチームサウナを楽しむためには、専門家の力を借りることが重要です。
法令遵守:建築基準法や電気工事士法の確認
DIYでスチームサウナを作る場合、安全確保の観点から、必ず関係法令を確認しましょう。特に、建築基準法と電気工事士法は、設置場所や工事内容によって遵守すべき項目が異なります。
法律 | 確認事項 |
---|---|
建築基準法 | スチームサウナの設置場所が建築基準法上の居室に該当するか |
-チームサウナの設置により、容積率や建ぺい率などの制限を超過しないか | |
電気工事士法 | スチーム発生器の設置工事が電気工事士の資格を必要とするか |
電気配線の容量がスチーム発生器の出力に耐えられるか |
例えば、スチームサウナを設置する部屋が建築基準法上の居室に該当する場合、換気や採光に関する規定を満たす必要があります。また、スチーム発生器の設置工事は、電気工事士の資格が必要となるケースがあります。
法令について不明な点は、専門家(建築士、電気工事士など)に相談することをおすすめします。安全なスチームサウナを作るために、法令遵守を徹底しましょう。
健康面への配慮:持病がある場合は医師に相談
DIYでスチームサウナを作る際には、安全面だけでなく、健康面への配慮も欠かせません。特に、持病がある方や健康に不安のある方は、必ず事前に医師に相談しましょう。
スチームサウナは高温多湿の環境であるため、以下のような持病を持つ方は、症状が悪化する可能性があります。
持病 | 悪化する可能性のある症状 |
---|---|
高血圧 | めまい、動悸、息切れ |
心臓病 | 胸痛、動悸、呼吸困難 |
呼吸器疾患 | 息苦しさ、咳、痰 |
糖尿病 | めまい、脱水症状 |
妊娠中 | めまい、立ちくらみ、早産のリスク増加 |
皮膚疾患 | かゆみ、炎症 |
上記以外にも、体質や体調によっては、スチームサウナの利用が適さない場合があります。不安な点があれば、自己判断せずに、必ず医師に相談し、指示に従うようにしてください。
5. DIY以外でスチームサウナを楽しむ方法
簡易スチームサウナ:手軽に体験できる
本格的なスチームサウナの設置は難しそうだと感じても、手軽にスチームサウナを楽しむ方法があります。それが「簡易スチームサウナ」です。
簡易スチームサウナには、主に以下の様な種類があります。
種類 | 特徴 | 費用相場 |
---|---|---|
サウナテント | 折りたたみ式で持ち運び可能、自宅でも屋外でも使用できる | 5,000円~30,000円程度 |
スチーム発生器のみ | サウナテントと組み合わせて使用、コンパクトで収納しやすい | 5,000円~20,000円程度 |
ミストサウナユニット | シャワーヘッドと交換して使用、手軽にミストサウナを楽しめる | 10,000円~50,000円程度 |
これらの簡易スチームサウナは、比較的安価で設置スペースも必要なく、気軽にスチームサウナ体験を始められます。本格的なスチームサウナの導入を検討する前の試金石としてもおすすめです。
専門業者への依頼:安心・安全な設置
DIYでの設置が不安な方や、より安全性を重視したい方は、専門業者にスチームサウナの設置を依頼する方法があります。専門業者に依頼するメリットは以下の通りです。
メリット | 説明 |
---|---|
安心・安全 | 電気配線や水回りなど、専門知識が必要な部分をプロが施工するため、安心・安全です。 |
時間短縮 | 設置工事の期間を大幅に短縮できます。 |
保証付き | 万が一、施工不良などが発生した場合でも、保証があるので安心です。 |
専門業者を選ぶ際には、実績や経験豊富な業者を選ぶようにしましょう。また、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが大切です。見積もり内容には、設置費用だけでなく、アフターサービスの内容も確認しておきましょう。
6. まとめ:DIYで夢のスチームサウナを!
DIYによって、自宅に自分だけのためのスチームサウナを作ることが可能です。適切な装置を選び、安全に配慮して施工することで、本格的なリラクゼーション空間を実現できます。
項目 | 詳細 |
---|---|
メリット | 自分の好みに合わせたサウナを作れる 費用を抑えられる場合がある |
デメリット | 専門知識や技術が必要になる 安全確保が難しい場合がある |
DIYに不安がある場合は、簡易スチームサウナの利用や専門業者への依頼を検討しましょう。
- 簡易スチームサウナ: 比較的手軽に設置できる
- 専門業者への依頼: 安全性が高く、高品質な仕上がり
どちらの方法であっても、自分に合った方法でスチームサウナを楽しみ、日々の疲れを癒し、心身ともにリフレッシュしましょう。