法人が注目するサウナを活用した企業戦略 サウナ導入のメリットとは

昨今のサウナブームの影響により、老若男女問わず幅広い層にサウナの人気は広がりを見せており、単なる温浴施設ではなく、心身のリフレッシュやストレス軽減のための重要なツールとして認識されています。
最近では、このようなサウナの高い効果に着目し、サウナを福利厚生として導入する企業が増えています。社員の健康増進やメンタルヘルスケア、さらにはコミュニケーション活性化の手段として、サウナ人気は個人だけでなくビジネスシーンにも波及しています。
本記事では、企業がサウナを導入するメリットや、導入事例についてご紹介します。

目次

企業がサウナを導入するメリット

企業がサウナを導入するメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
これらのメリットは、企業の文化、従業員のニーズ、そして具体的な導入方法によって大きく変わります。サウナ導入を検討する際は、自社の目的を明確にし、最適な形を選ぶことが重要です。

従業員の健康増進と生産性向上

企業がサウナを導入する一番のメリットは、従業員の健康状態の改善です。
サウナは血行促進や疲労回復、睡眠の質の向上など、様々な効果があると言われているため、従業員の心身の健康のサポートに繋がる可能性があります。
従業員の健康をサポートすることは、従業員の集中力を高めるだけでなく、ストレスを軽減し、仕事の生産性向上も期待できます。

ストレス軽減とメンタルヘルスケア

現代社会において従業員のストレスは大きな課題です。サウナは深いリラクゼーション効果をもたらし、ストレスホルモンの減少に役立ちます。定期的なサウナ利用は、メンタルヘルスの維持・向上に貢献し、会社への貢献意欲や愛着を高めることにも繋がります。

採用競争力の強化と企業ブランディング

ユニークな福利厚生としてサウナを導入することは、特に健康意識の高い層やサウナ愛好家にとって、企業を選ぶ上で大きな魅力となります。採用市場における企業の差別化に繋がり、優秀な人材の獲得に貢献します。
また、「従業員の健康を大切にする企業」というポジティブな企業イメージを構築し、ブランディング効果も期待できます。

創造性の向上とイノベーションの促進

サウナ後のととのった状態は、脳が非常にクリアになり、新しいアイデアやひらめきが生まれやすいと言われています。リラックスした環境で思考を巡らせることで、仕事における課題解決や新たな事業創出に繋がる可能性もあります。

サウナ導入・運用における企業の課題と対策

サウナを導入・維持する上で、対策しておかなければならない課題があります。対策しておきたい課題については以下が挙げられます。

コスト面

  • 初期導入コスト(設置・内装):社内サウナ設置の概算費用レンジ(テント、バレル、本格派などタイプ別)、または既存スペースの改修費用。
  • ランニングコスト:電気代・水道代、清掃・メンテナンス費用(特に衛生管理)の概算。

運用面(安全・衛生管理)

  • 利用ルールとマナーの策定:飲酒後の利用禁止、利用時間の制限、清掃ルールの明確化など、安全と衛生を確保するための社内ルールの必要性。
  • 保険・法的側面:施設内で健康トラブルが発生した場合の責任範囲(福利厚生施設として)、医師の診断書提出の推奨など。

場所の確保と設備投資の制約

都心部のオフィスビルで設置スペースや給排水・排熱の制約がある場合のソリューション(例えば、オフィス外のサウナ施設との提携など)。

企業の戦略的な投資として重要!サウナ導入の効果測定・評価

健康経営を推進する企業にとって、サウナを「戦略的な投資」として捉えるためには、その効果を数値で示すことは非常に重要です。

  • 健康指標との連動:サウナ利用率と、以下の指標の関連性を追跡することでサウナ導入の効果を明確化できます。
    1.プレゼンティーイズム(出勤はしているが心身の不調により生産性が低下している状態)のスコアの変化
    2.アブセンティーイズム(欠勤率)の改善
    3.定期健康診断における特定項目の改善傾向(血圧、睡眠スコアなど)
  • 従業員満足度(ES)調査の活用:以下のような方法で従業員満足度を調査し、効果を測定することができます。
    1.サウナ導入前後の従業員エンゲージメント(会社への愛着、貢献意欲)の変化をアンケートで測定。
    2.サウナ利用者に特化した「リフレッシュ度」や「ストレス軽減度」のスコアリング。
  • 創造性・アイデア創出への影響:「サウナ会議」などを実施している企業の場合、サウナ利用後の会議やブレインストーミングで生まれた具体的なアイデア数や、採択率などを非公式に追跡する事例もあります。

企業によるサウナ導入事例

企業がサウナを導入する事例は多様化しており、様々な形で活用されています。
ここからは、代表的な導入事例と目的をいくつかご紹介します。

福利厚生としての導入(健康経営・従業員満足度向上)

株式会社タマディック

自社ビル内にフィンランド式の本格サウナを設置。フレックスタイム制のコアタイム後やクラブ活動帰りなどに利用され、社員のリフレッシュやコミュニケーションの場となっています。この社内サウナはフィンランド大使から公認を受けています。

サウナ利用費補助・法人契約

株式会社Izul

1人あたり月3万円までサウナ利用料を会社が負担。サウナを利用しない従業員には、ベビーシッターや家事代行サービスの費用に充てられる選択肢も用意しており、多様なニーズに応えています。

保養所への設置

株式会社モクラス

従業員には自社保養所優待がついており、この保養所にはバレルサウナが設置されています。ライブラリーにはサウナ関連の書籍もあり、サウナ好きにはうれしい施設となっています。

コミュニケーション・チームビルディング

サウナを共通の体験とすることで、役職や部署を超えたコミュニケーションを促進し、チームの結束力を高める目的で導入するケースもあります。

僕と私と株式会社

僕と私と株式会社では、社内で「サウナ会議」を実施。リラックスした環境で、より本音での議論や新しいアイデアの創出を狙っています。
また、僕と私と株式会社では「サウナ採用」も行っており、希望者はサウナ施設で代表と1on1面接を受けることができます。リラックスした状態で、候補者の魅力を引き出すことを目的としています。

事業としての導入(宿泊施設・温浴施設など)

サウナブームを背景に、サウナ自体を新たな事業として展開する法人も増えています。

宿泊施設

  • 民泊施設、貸別荘、グランピング施設
    バレルサウナやテントサウナ、キャビンサウナなどを導入し、宿泊体験の付加価値を高めています。プライベートサウナ付きの客室は、差別化の要因として非常に人気です。
  • ホテルや旅館
    客室にプライベートサウナを設置したり、共有スペースに本格的なサウナ施設を新設・リニューアルする事例が増えています。

温浴施設

既存の温浴施設が、最新のサウナ設備(ロウリュ、アウフグース対応など)を導入してリニューアルしたり、新しいコンセプトのサウナ施設を開業するケースもあります。

サウナカー事業

移動可能なサウナカーを導入し、イベント出展、レンタル、出張サウナサービスなど、多様な事業展開を行う法人も登場しています。企業ロゴをラッピングしてPRに活用する事例もあります。

コワーキングスペース併設

サウナ施設とコワーキングスペースを併設し、仕事とリフレッシュを両立できる新しい働き方を提案する施設も登場しています。

まとめ:法人が活用するサウナ 新たな企業価値創造へ

サウナは、現代社会における心身のリフレッシュツールとして、その価値を企業活動においても発揮し始めています。今回ご紹介したように、従業員の健康増進、ストレス軽減、創造性向上といったメリットに加え、採用競争力の強化や企業ブランディングにも貢献するサウナは、もはや単なる福利厚生の枠を超え、企業の成長を支える戦略的な投資となりつつあります。今後も、多様な働き方やウェルビーイングへの意識が高まる中で、サウナを導入する企業はさらに増え、その活用方法も進化していくことでしょう。

執筆者

注文住宅会社での20年以上の経験とサウナ好きがこうじて、サウナストーブを独自企画。実際にフィンランドやエストニアへの視察を行い本場のサウナ文化を感じた上で、フィンランド式のサウナストーブを製品化。ストーブの販売から設置、ブース施工までお任せください!

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