サウナストーブの熱源の違いとは?「電気・薪・ガス」3種を徹底比較

サウナストーブを選ぶ際、まず直面するのが「どの熱源を選ぶか」という問題です。現在、主流となっている熱源は電気・薪・ガスの3種類ですが、それぞれ温まり方や設置条件、メンテナンス性に大きな違いがあります。憧れのサウナライフを実現するためには、設置環境や利用スタイルに最適な熱源を正しく理解することが欠かせません。今回は、これら3つの熱源の特徴を多角的に比較し、導入のポイントを解説します。

目次

電気・薪・ガス サウナストーブの熱源のそれぞれの特徴とは

サウナストーブの熱源は、大きく分けると電気・薪・ガスの3種類が主流です。

電気ストーブ

現在、家庭用サウナや都市部の施設で最も一般的なタイプです。
操作が簡単で、スイッチ一つで温度調節ができるのが大きな特徴です。また、一酸化炭素中毒のリスクが低く、安全性が高いのも導入しやすいポイントとなっています。

  • メリット:煙が出ないため、マンションや住宅街でも設置しやすい。
  • デメリット:高出力のため、単相200Vなどの専用電気工事が必要になることが多い。

薪ストーブ

キャンプサウナや、都市部から離れた本格的なアウトドアサウナで人気のタイプ。薪が燃える音や香りが楽しめ、火の揺らぎによるリラックス効果が絶大です。
遠赤外線効果が強く、体の芯からじっくり温まることができます。

  • メリット:電気が不要なため、電源のない屋外でも使用可能。圧倒的な「非日常感」がある。
  • デメリット:煙突の設置が必要で、煙が出るため近隣への配慮が必要。火の管理や灰の片付けに手間がかかる。

ガスストーブ

主に業務用として施設で採用されている熱源で、日本国内の老舗銭湯や大型サウナ施設でよく見られます。立ち上がりが非常に早く、広いサウナ室を一気に高温にするパワーがあります。
遠赤外線放射板を加熱するタイプが多く、超高温(100°C超)かつ低湿度な、日本独自の伝統的な「昭和ストロングスタイル」のサウナによく使われます。

  • メリット:ランニングコストが比較的安く、強力な熱量を得られる。
  • デメリット:設置にはガス配管工事が必要で、家庭用としてはあまり一般的ではありません。

その他の特殊なタイプ

他にも以下のようなタイプの熱源があります。

  • 遠赤外線パネルヒーター:熱源を直接温めるのではなく、パネルからの輻射熱で体を温めるタイプ。低温サウナに多く、ロウリュはできないものがほとんどです。
  • スチームジェネレーター:お湯を沸かして蒸気を発生させるタイプ。ミストサウナやスチームサウナに使用されます。

電気・薪・ガス 導入・運用しやすいサウナストーブは?

電気・薪・ガス、それぞれ特徴が異なりますが、家庭や都市部の施設などに導入しやすいのは一体どのようなタイプなのでしょうか。それぞれの熱源のより詳細な特徴を以下のようにまとめました。

熱源の種類住宅街・マンションでの設置片付けの手間自動温度維持予約・遠隔操作
電気ストーブほぼ無し
薪ストーブ×多い××
ガスストーブ×少ない

それぞれ項目ごとに解説します。

住宅街・マンションでの設置

マンションや都市部でサウナを導入する場合、9割以上の人が電気ストーブを選びます。排気の問題がない点、室内設置を前提とした安全基準(PSEマークや国際規格など)を満たす製品が多く、管理会社や消防署の許可が下りやすい点などの理由から導入しやすいためです。仮に賃貸であっても、電気工事さえクリア(または100Vの簡易型)できれば設置可能です。
電気ストーブをマンションに設置する際の注意点としては、一般的な家庭用サウナは200Vの工事が必要になることが多く、マンション全体の電気容量(アンペア数)が足りない場合は設置できません。

一方、住宅街やマンションにおいて、薪やガスストーブの導入は極めて困難です。
薪は煙や臭いによる近隣トラブルのリスクが高く、法的紛争に発展する恐れがあるほか、消防法に基づく煙突設置や防火地域の厳しい制限が壁となります。
ガスも高額な配管工事に加え、強力な排気ダクト用の壁面穿孔が必要です。特にマンションでは、規約によるガス管の増設禁止や共用部への影響から、いずれも設置の現実は極めて厳しいと言えます。

片付けの手間

片付けの手間がもっとも掛からないのは、スイッチを切るだけで終了することができる電気ストーブです。メンテナンスも簡単で、定期的にサウナストーンの割れをチェックしたり数年に一度交換する程度です。

次に手間がかからないのはガスストーブで、電気と同様、スイッチを切るだけです。ただし、燃焼部(バーナー)の点検や、排気ダクトに埃が詰まっていないかなどの専門的な定期メンテナンスが、安全のために欠かせません。

一方、薪ストーブは使用後に残った灰をかきだし処分する必要があります。また、煙突に溜まる煤を定期的に掃除しないと火災のリスクがあるため、全熱源の中で最もメンテナンスに時間がかかります。

自動温度維持

サウナストーブの自動温度維持とは、室内の温度をセンサーで計測し、設定温度を保つよう出力を自動制御する仕組みです。エアコンの温度調節と同様に、設定値に達すると加熱を抑え、ドアの開閉などで温度が下がれば再び稼働して熱さをリカバリーします。

この自動温度維持については、電気ストーブは非常に得意としています。サーモスタット(温度センサー)が設定温度を感知し、出力を自動でオン・オフします。1度単位での精密な管理が可能で、何もしなくても常に一定の熱さをキープし続けます。
ガスストーブについては、施設用の大型モデルであれば、センサーによってガス火の強弱やオン・オフを自動制御し、設定温度を保ちます。ただし、家庭で導入する場合は手動調整が必要な簡易モデルも多く、電気ほどの手軽さはありません。
薪ストーブに至っては、自動制御はほぼ不可能です。薪を投入する量や、空気窓の開け閉めによって「人間が」火力をコントロールし続ける必要があります。放っておくと火が消えたり、逆に温度が上がりすぎたりするため、常に目を配る必要があります。

予約・遠隔操作

サウナストーブの予約・遠隔操作機能を活用することで、自分の理想のタイミングでサウナが楽しめます。例えば、起床時や帰宅時間に合わせてスマホ等で予約すれば、待ち時間ゼロですぐに熱々のサウナに入れます。外出先から操作も可能なため、忙しい日常にサウナを組み込みやすくなります。

この予約・遠隔操作機能は電気ストーブでは最も普及しており、スマホアプリでの遠隔操作やタイマー予約が可能です。
一方、薪ストーブは予約・遠隔操作についてはほぼ不可能です。物理的に薪をくべて着火する必要があるため、無人での遠隔操作や予約はできません。火災のリスクも高く、常に人がそばにいて管理することが前提の熱源です。
ガスストーブについては、最新の専用モデルではスマホ操作に対応したものもありますが、導入には厳しい安全基準と専門工事が必要です。家庭用としては、安全性の観点から遠隔操作非対応の機種が一般的です。

サウナでロウリュできるのは電気?薪?ガス?

どの熱源タイプがロウリュ可能かどうかについては、結論から言うと、電気・薪・ガス、いずれの種類でもロウリュは可能です。ただし、「どのモデルでもできるわけではない」という点と、ストーブの種類によって「ロウリュの質や注意点」が大きく異なります。

電気ストーブ

電気ストーブは現在、家庭用でロウリュを楽しむなら最も一般的です。しかし、ロウリュできるのは「ロウリュ対応モデル」のみです。「ロウリュ非対応」の安価な電気ストーブに水をかけると、一発で故障したり漏電したりするため非常に危険です。必ず「ロウリュ可」の表記を確認する必要があります。
また、一気に大量の水をかけるとヒーターが冷え、故障の原因になるため、少しずつかけるのが基本です。

薪ストーブ

薪ストーブはサウナの原点であり、最もパワフルなロウリュが楽しめます。このタイプの熱源ならほぼすべてのモデルでロウリュが可能です。
火力が非常に強いため、石がキンキンに熱くなります。水をかけた瞬間の「ジュワーッ!」という音と蒸気の立ち上がりが最も力強いのが薪ストーブの醍醐味です。また、石の量が多いモデルが多く、連続してロウリュをしても石が冷めにくいのが強みです。

ガスストーブ

以前は「ガス=ロウリュ不可(カラカラのドライサウナ用)」というイメージが強かったですが、今は電気ストーブ同様、「ロウリュ専用設計のモデル」ならロウリュが可能となっています。
一般的な施設で使われているガスストーブは遠赤外線板を温めるタイプが多いためロウリュはできませんが、最新モデル(家庭・小型施設用)には、ガスで石を直接温める「ロウリュ対応ガスストーブ」が登場しています。
ガス特有の「リカバリーの早さ」があり、一度ロウリュで石が冷めても、すぐにまた熱々な状態に戻るのがメリットです。

電気・薪・ガス 最適なサウナルームのサイズは?

ストーブの熱源によって「得意な広さ」が異なります。それぞれの特徴に合わせて、一般的に推奨されるサウナルームのサイズは以下の通りです。

熱源の種類サウナルームの広さおすすめの利用シーン
電気ストーブ小型~中型自宅の室内・マンション・個室サウナ など
薪ストーブ中型~大型庭のサウナ小屋・キャンプ・アウトドア など
ガスストーブ大型~超大型銭湯・スパ施設・ホテルの大浴場 など

それぞれの熱源のタイプごとに解説します。

電気ストーブ

【適合サイズ:1人用(0.5坪)〜 4、5人用(1.5坪)】

電気ストーブは家庭用や小規模施設に最も適しています。
1人用のコンパクトなボックスサウナから、家族で入れるサイズまでラインナップが豊富です。大型施設用もありますが、家庭で大きすぎると電気容量(アンペア数)の壁にぶつかるため、「コンパクト〜中規模」が主戦場です。

薪ストーブ

【適合サイズ:3、4人用 〜 中型テント・小屋サイズ】

薪ストーブはストーブ本体が大きく、周囲に広い離隔距離(防火スペース)が必要となります。
本体の熱量が非常に強いため、1人用の狭い個室に置くと熱くなりすぎてしまいます。庭に建てるサウナ小屋や、キャンプ用のサウナテントなど、「ある程度の容積がある空間」に向いています。

ガスストーブ

【適合サイズ:10人以上の大型施設 〜 超大型サウナ室】

ガスストーブは圧倒的なパワーがあり、広い空間を効率よく温めるのに向いています。
日本の銭湯や健康ランドにあるような、ひな壇が何段もある広いサウナ室のほとんどがガス式です。逆に、家庭用の小さな個室に設置するのは、設備が過剰で工事費も見合いません。

まとめ:電気・薪・ガス 設置条件に合った熱源を選ぼう

サウナストーブは、熱源ごとに得意とするシーンが大きく異なります。マンションや住宅街で日常的に楽しむなら、管理が容易で遠隔操作も可能な電気ストーブが最適です。
一方で、非日常的な体験を求めるなら薪、大規模施設のような圧倒的パワーならガスが向いています。設置環境や求めるサウナ体験を整理し、自分にぴったりの一台を選びましょう。理想の熱源を見つけることが、充実したサウナライフへの第一歩となります。

執筆者

注文住宅会社での20年以上の経験とサウナ好きがこうじて、サウナストーブを独自企画。実際にフィンランドやエストニアへの視察を行い本場のサウナ文化を感じた上で、フィンランド式のサウナストーブを製品化。ストーブの販売から設置、ブース施工までお任せください!

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